平成21年6月1日、それまで中部地区在住の弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職約50名が集まって、会員相互の情報交換や成年後見制度に関する学習会等を行っていた任意の団体を一般社団法人化し、鳥取県中部地区(人口約11万人)における成年後見制度の利用促進と普及啓発、虐待防止等の権利擁護支援に関わる実践活動を展開してきました。 さらに、平成25年4月1日には、県補助金及び中部地区1市4町からの委託費を主たる財源にして、法人内に中部成年後見支援センター(通称;ミットレーベン「共に生きる」の意)を設置し、財産が乏しいために家庭裁判所への申立て費用や報酬を負担することが難しい人や虐待等の困難事案に対する法人後見相談支援活動を行ってきました。 相談支援に当たっては、第一に障がい者など判断応力の不十分な人、また、認知症高齢者などで判断能力が不十分になっても、地域社会の一員として、その人らしく生きることができる(幸福追求権)ように支援すること。その際、その人の意思決定を最大限に尊重すること(意思決定支援)。第二には、そういう人たちを地域社会の一員として暖かく受け入れてくれる共生の地域社会を実現することを目指してきました。そして、それを実現するためには、後見人だけではなく、行政機関をはじめ多くの関係機関・団体がネットワークを組んで取り組むことが必要だと考えています。 人口減少、少子高齢化に伴う認知症高齢者の増加や児童虐待への対応、障がい者の権利擁護の推進、家族間の扶養機能の低下、地域住民相互の関係の希薄化など、様々な課題を抱える中で、成年後見制度活用へのニーズは、さらに高まってゆくと思われます。現在、後見の受け皿作りや市民後見推進など、中部地区の成年後見制度をはじめとした権利擁護支援システムの構築に向けて取り組んでいます。 今後も中部地区の住民一人一人が大切にされ、すべての人々が安心して暮らせる住みやすい地域社会の実現をめざし、その拠点施設としての役割を果たしてゆきたいと考えています。皆様の、一層のご支援ご協力をお願い致します |
一般社団法人 成年後見ネットワーク倉吉 代表理事 尾西 正人 ・ 松村 久 |
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